精神障害は、うつ病などの気分障害や、性格の形成不全による人格障害など、さまざまな病気があります。その中で、トラウマが原因となって引き起こされる病気について見ていきたいと思います。
*症例1〜解離性障害
「解離」は、記憶や意識など、一人の人間が連続している持ってべき精神機能がうまく統合されていない状態。トラウマ体験への自己防衛として、統合が失われて自分が誰でどこにいるのか認識不能になったり、複数の自己を生み出したりと、自己同一性を失ってしまう障害です。
けいれんや離人症状、運動障害といった従来「ヒステリー症状」に当てはめられてきたものから、多重人格など、さまざまな病気が。特に代表的なものを挙げてみます。
解離性健忘
自分に関する記憶や情報を広範囲にわたって想起できない状態に。それは普通の「物忘れ」に収まらないほどで、患者に強い苦痛と不安をもたらします。
解離性遁走
突然、本人の自覚や予測のないままに放浪し、気づくと自分が誰なのかが分からずに激しく混乱します。放浪以前や、放浪中の記憶が失われていることも…。
解離性同一性障害
特に幼児期に繰り返し強烈なトラウマ体験をした場合、自分を守るために、「辛い経験をしたのは自分ではなく誰か別の人物である」と知覚。記憶や意識が解離してゆき、ついにはひとりの人間の内面に、もともとの人格(主人格)とは別にふたつ以上の人格が存在するようになってしまう障害です。いわゆる、多重人格と呼ばれる病気で、ほとんどの患者が幼児期に児童虐待を受けているケースが多いと言われます。