事件や事故などで抱えうるトラウマの定義、おもな症状、PTSDとの関連性など、トラウマについての基礎知識を解説したサイトです。

*「トラウマ」研究・第一期
前出した通り、「トラウマ」研究の基礎となったのは、19世紀後半から盛んになった暴力や性的暴行に苦しむ女性達の「ヒステリー」に関する研究です。

特に注目すべきなのは、1870年前後のフランス。それまで宗教(カソリック)がすべての価値基準・判断基準でした。医療や教育においてもその影響は絶大で、ヒステリーなどの精神病患者が、黒魔術の使い手や魔女だと断罪され火あぶりにされることも多々ありました。当時の第三共和制政権では、こういった宗教的影響を切り離し、医療は医療として科学的・実証的なものとして扱うべきだという政治的な運動が繰り広げられたのです。

こうした時代的背景のもと、1875年にフェリーダ・Xという多重人格者が現れたことからヒステリー研究は過熱していき、催眠術などを用いてヒステリーがれっきとした病気であると実証したシャルコー、ジャネやフロイトへとつながっていきます。そして、ヒステリー症状の要因のひとつが、過去に受けたトラウマ=心的外傷であるという学説が、広く知られるようになるのです。


*「トラウマ」研究・第二期
その後、再び「トラウマ」に多大な注目が集まったのは、第一次世界大戦からベトナム戦争まで、多くの戦争を経験したアメリカです。

激い戦闘で極限状態に達した兵士達は、ヒステリー患者と同様の症状を現しました。この戦闘ストレス反応の研究が進み、やがて帰還兵のストレス障害の問題から「PTSD(心的外傷後ストレス障害)」という病名が生まれ、その原因である戦争体験、つまりトラウマについても研究が進むことになるのです。

その後、PTSD研究の進歩や、家庭内暴力・性的暴行が社会問題化するにつれて、トラウマについての定義はさらに変化をすることになります。


*「トラウマ」研究・日本の場合
日本では、1995年の阪神・淡路大震災と地下鉄サリン事件をキッカケに、「PTSD」という病気が初めて一般に知られるようになります。その後、神戸の連続児童殺傷事件や大きな自然災害の際には、自治体を含めトラウマ体験への早期対処が行われるようになりつつあります。

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